途上国食料危機 輸入食品に代わって需要が増える地域伝統食品の価格も急騰
08.8.2
小麦、米、トウモロコシなどの世界商品食料作物の価格に一定の落ち着きが見られるようになった。しかし、食料価格高騰がもたらした世界食料危機が収束に向かう気配はない。これら世界的基幹食料作物の価格も、2年前に比べればなお2倍から3倍のレベルだ。その上、これらを輸入に頼る途上国では、より安価な地域の伝統的な在来食料(日本ならば米など)に対する代替需要が増加、いまやその価格までが急騰を始めたという。
フィナンシャル・タイムズ紙によると、国連の農業・食料援助担当官は、輸入食料の価格の記録的高騰で、アフリカ、ラテンアメリカ、一部アジア地域におけるヤムイモ、甘藷、ソルガム、キャッサバ、ミレット、テフなどの在来基本食料への需要が増加、その価格が異常に高騰している、これは食料危機の新たな特徴だと言う。
アフリカの一部の国のソルガムの価格は1月以来60%上がった。別のところではミレットの価格が30%上がった。エチオピアの平たいパンを作るのに使われる在来穀物のテフも、国の市場で25%上がった。世界食料計画(WFP)とFAOが途上国市場で集めた取引相場によると、地域で生産されるヤムイモ、キャッサバ、甘藷、小麦、トウモロコシ、豆類の価格も上がっている。
通常は収穫直後に起きるこれら作物の価格低下傾向も、需要が強く、またアフリカその他の地域の干ばつによる減収で、以前ほど目立たない。
援助担当官によると、これら伝統的な作物の価格上昇は、輸入される小麦、トウモロコシ、米の価格の最近の低下や運賃の低下を相殺して余りあるという。
Crop
price threat to inflation ,FT.com,7.30
http://www.ft.com/cms/s/0/30a2b912-5e6a-11dd-b354-000077b07658.html
または
Inflation threat to developing countries from crop prices,Financial
Times,7.31,p.6