アルゼンチン 干ばつで1世紀来初めての小麦世界市場から撤退の可能性

農業情報研究所(WAPIC)

09.6.29

 昨年は世界第4番目の小麦輸出国であったアルゼンチンが、干ばつによる作付減少のために、1910年以来初めて世界市場から撤退することになりそうだという。

 アルゼンチンの小麦は、5月から8月の間に播種され、12月と1月に収穫される。米国農務省(USDA)によれば、昨年は1120万トンの小麦を輸出、09年は450万トン輸出すると予想されている。しかし、現地専門家によると、9月まで日照りが続くと、09-10年の収穫は前期より28%減少、600万トンにまで落ち込む。これは国の製粉業者が消費する量に等しい。

 もっと早くに雨がきたとしても、800万トンを超えることはなさそうだ。これも、1974-1975 以来の少なさだ。fラテンアメリカ最大の製粉業者によれば、政府は、収穫が600万トンを超えても、輸出よりも国内備蓄を選ぶ可能性が高い。小麦を輸入することになれば、政治的リスクは計り知れないからだ。

 アルゼンチン小麦が世界市場からの撤退すると、食料生産を犠牲に輸出農畜産やエタノール生産を拡大、今や世界最大クラスの穀物輸入国となったブラジルは、ラテンアメリカ以外から300万トンを購入しなければならなくなる。ブラジルは昨年、アルゼンチンから小麦500万トンを輸入した。パラグアイやウルグアイも、不足は100万トンになるという。

 しかし、USDAは、2010年5月31日に終わる販売年度の小麦世界生産は、昨年に続く史上2番目の6億5610万トンになり、在庫は2002年以来最高の1億8270万トンに跳ね上がると予想している。シカゴ商品取引所の小麦先物相場は急降下している。

 Argentina May Cease Wheat Exports for First Time on Drought,Bloomberg,6.29
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601086&sid=acXLbbY1XcxE