ミネソタの豚脳組織採取労働者が謎の神経病 慢性炎症性脱髄性多発神経炎に似る 

農業情報研究所(WAPIC)

07.12.6

 米国・ミネソタ州の豚肉加工会社・Quality Pork Processors(QPP)の11人の労働者が神経病にかかった。11人すべてが豚の脳組織を輸出用に採取するパートに属している。

 工場は圧搾空気で脳組織を採取することはやめてきたし、豚の頭や器官を処理する工場のパートではヘルメットにフェイスシールドを付け、労働者の腕のカバーもしてきた。

 しかし、この11人が病気になったことで、豚の屠体から脳組織を採取すること時自体を中止した。会社のワディング社長兼CEOは、「これはまさしく予防措置だ。原因も、労働者保護の方法も皆目わからない。保健省が勧告したから、これらの措置を実施し、また続けるだけだ」と言う。

 11人すべてが既に退院、二人を除き仕事に復帰した。

 ミネソタ保健省(MDH)は4日、11人のクラスターの調査中で、国中の他の豚肉工場でも同様な例がないかどうかも疾病管理予防センターと協力して調べていると発表した。ワディング氏は、化学物質、ウィルス、細菌、どんな可能性も排除しない、MDHも症状の出た労働者の家やレクレーション施設もチェックしていると話す。

 MDHによると、5人の患者の症候は、末梢神経の髄鞘(ミエリン鞘)の損傷が原因となる慢性炎症性脱髄性多発根神経炎*(治療法未確立の難病とされる)に一致するという。

 Minnesota Pork Plant Stops Harvesting Brains As Precaution,Cattle Network,12.5

 *難病情報センター:慢性炎症性脱髄性多発根神経炎http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/110.htm