農業情報研究所農業・農村・食料北米>ニュース:2020年4月11日

コロナ経済危機 トランプのフードスタンプ縮小計画実施を延期に追い込む

 新型コロナがもたらした経済・雇用危機の中、トランプ政府は計画していた「フードスタンプ」(低所得者向け食料援助制度)縮小計画の実施の延期に追い込まれた。

 オバマ政府の下、受給者は受給開始から90日後には就労することが義務付けられていたが、失業率の高い地域に住む低所得の成人はこの義務を免除されていた。トランプ政府は、特定地域に限ってこの義務を免除する「労働ルール」を撤廃、就労しない(できない)すべての受給者から受給資格を取り上げようとするものであった。

 米国農務省(USDA)は、これによりフードスタンプ受給者は75万人減ると推定していた(Hundreds of Thousands Are Losing Access to Food Stamps,The New York Times,19.12.5Trump administration tightens work requirements for SNAP, which could cut hundreds of thousands from food stamps,The Washington Post,19.12.5

 ところが、新型コロナが蔓延、市民は滅多に買い物にも出かけられない。食料品店にだけは堂々と行ける。そこに金を落とすことで経済を支える。ここでフードスタンプ利用が減れば、経済はますます沈滞する。

 パーデュ農務長官、今週ニューヨーク・タイムズ紙に対し、「人々は食料を必要としている、それがUSDAのすることだ」と言ったそうである。

Trump Backs Off Tougher Food Stamp Work Rules for Now,The New York Times,20.4.11