農業情報研究所


イギリス人はヨーロッパ最大の有機食品消費者

農業情報研究所(WAPIC)

02.3.23

 イギリスの市場分析企業・Datamonitorsの研究(Organic, Natural, Ethical and Vegetarian Consumers(Datamonitor’s report,02.2.27))によると、イギリス人の半数は化学物質を避けるために高価格にも支払う用意があり、ヨーロッパ最大の有機食品消費者となっている。

 昨年についてみりと、2900万の成人が有機認証を受けた製品を規則的に食べ、飲んでいる。有機食品を選ぶ理由は環境保全よりも健康上の利益のようである。Independent紙によると、イギリス最大の有機農業団体である土壌協会のスポークスマンは、有機食品の健康上の利益はよく知られているが、有機農民はむしろ環境への影響を最小限にすることで承認されており、消費者は倫理的視点を失ってはならないと言っている。

 イギリスの有機農業への動きは遅いが、有機食品への需要は他のヨーロッパ諸国に比べて群を抜いておる。ヨーロッパ7ヶ国に関する調査が示すところでは、規則的に有機食品を選ぶ成人は、ドイツで40%、フランスで38%であった。有機食品に対するヨーロッパの支出は今後5年間に倍増、170億ユーロ(105億ドル)に達する見通しである。そのときまでに、ヨーロッパの消費者の58%が有機食品を選択するようになる。

 なお、このレポートは菜食主義者の動向も調査している。菜食主義者の増加速度は鈍っており、今後の成長の見込みもほとんどない。

 関連情報
 Organic food price report silenced,Independent,02.1.20

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