中国各地で有機食品ブーム、黒龍江では耕地の2割が有機農地に

農業情報研究所(WAPIC)

05.2.24

 中国日報紙によると、中国における有機農業が躍進しているようだ(Organic food booms in provinces,China Daily,2.22;http://www.chinadaily.com.cn/english/doc/2005-02/22/content_418125.htm)。情報は土地・資源部、中国地質調査局、各省当局が全国21省から集めたもので、とりわけ発展が著しいのは最も重要な穀物生産地域である黒龍江省という。

 黒龍江省では、開発を始めた1997年以来急速に拡大、有機農業面積は推定187ha、昨年1年で18%も増え、省の全耕地面積の20%にも達した。昨年の有機食品の生産量は1110万トン、販売額は159000万ドル(1ドル=105円として1670億円)になる。有機食品への需要は急速に増えており、国内・海外の評判もいい。省は、今年も米、大豆、トウモロコシの三つの中心的有機食品の開発を加速する。農地の環境条件を評価し、品質管理を強化する特別基金が設けられるという。ロシア、日本、韓国など国際市場の開発も試みる。

 有機食品産業は東部・福建省でも、特に章州、泉州、福 州などの沿岸部で急速に成長している。省のすべての有機食品生産基地は、国の「グリーン・フード認証」を受けた企業により運営されているという。省農業部の統計によると、2004年末、160ほどの企業が有機と呼ばれる273の製品を作っている。04年には72478トン、6299万ドル(66億円)を輸出した。省の担当者は、この急速に成長する部門に参入する省北西部の中小企業がますます増えるだろうと言う。

 近年の中国では、消費者の人気を背景に有機食品ブームが起きている。地方政府は有機食品生産のための戦略の開発を競っているという。この状況のなか、頻々と噂が流れる遺伝子組み換え(GM)米の大々的栽培が消費者の受け入れるところとなるのだろうか。