IFOAMと国連2機関が東アフリカ有機基準開発促進プロジェクトを発表

農業情報研究所(WAPIC)

06.3.9

  国際有機農業運動連盟(IFOAM)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連環境計画(UNEP)が、東アフリカからの一層多くの有機産品が世界中のスーパーの店頭に出るのを助ける東アフリカ有機基準の開発を促進する共同プロジェクトを発表した。

 UNCTAD, UNEP and IFOAM Join Forces for Regional Organic Standards in East Africa

 このプロジェクトは、国と地域の広範な関係者の専門知識と経験を糾合、既に地域で進行している作業の上に、特にアフリカ有機産品輸出促進(EPOPA)プロジェクトを通して築かれたという。

 IFOAMのジェラルド・ハーマン会長は、「IFOAMは、有機産品の貿易の調和を援助するための地域有機基準の開発の強力な支持者である。東アフリカでは、ケニア、タンザニア、ウガンダが自然の貿易パートナーとなっており、このプロジェクトは、国際市場への一層のアクセスを可能にすることに加え、持続可能なシステムの創造の一環をなすこれら諸国の間の有機産品の貿易を強化する」と説明する。

 ”東アフリカの有機農業産品の生産と貿易機会を促進する”UNEP/UNCTADの”貿易・環境・開発に関する能力建設タスクフォース(CBTF)”プロジェクトは、2004年10月19日、地域基準技術作業グループ(RSTWG)を設立した。3ヵ国の基準機関・認証機関・有機部門からの代表者を含むRSTWGは、基準の内容を討議するために、2004年10月24日、カムパラで最初の会合を開き、この3月6日にアルーシャで再度の会合を開いた。RSTWGは、IFOAMの全面的支持により強化されようという。

 IFOAMはまた、今週、東アフリカ有機基準(OSEA)を始動した。これは基準の国家的協議と現地試験を行うための資源を提供する。ひとたび基準が承認されれば、IFOAMも共同検査プロトコルの開発とOSEAを通しての消費者教育キャンペーンを支援する。

 IFOAMのアンジェラ・ゴードル常務は、「国連機関としてのUNEPとUNCTADは、基本的関与者を糾合し、また東アフリカの人々に環境的・社会的・経済的便益を直接もたらす努力に広範な信頼性を与えるのに必要な人的・財政的資源へのアクセスを持つ」と、UNEP、UNCTADとの協力の強化を歓迎している。

 この新たなパートナーシップ(連携)は3月7-10日にアルーシャで開かれるCBTFの有機農業地域ワークショップで発表されるが、このワークショップは、有機農業のステータスや東アフリカの関連政策、最善の慣行、アフリカの食料安全保障、東アフリカからの有機産品需要などに関するCBTFプロジェクトの下で行われた研究の成果の展示場になるだろうという。3月10日には、参加者は近隣有機農場を訪問、実際の有機農業を視察する機会も与えられる。

 ワークショップへの参加者には、貿易・環境・農業省、東アフリカ共同体、農民や認証機関を含む国の有機農業ネットワーク、研究機関と大学、有機農業に関係する国及び国際機関、国際専門家の代表者が含まれるという。

 なお、今年2月に発表されたIFOAMの数字によると、世界の有機農地面積は3100万haとなっている。オーストラリアが最大で1210万ha(GM作物は30万haにすぎない)、次いで中国(350万ha、遺伝子組み換え=GM作物[ワタ]の350万haより多い)、アルゼンチン(280万ha、GM作物は1710万ha)が多い。アフリカ全体の有機農地面積は世界全体の有機農地面積の3%を占めるにすぎない。

  http://www.ifoam.org/press/press/Statistics_2006.html

  なお、GM作物栽培面積については、ISAAA 2005年GM作物栽培状況を発表 イランがGM米栽培開始 全体的には閉塞状況,06.1.13