インド・ケララ州政府が有機農業奨励計画 多くの生産者団体が潜在市場に期待

農業情報研究所(WAPIC)

06.7.17

 インド・ケララ州政府が有機農業奨励計画を策定した。2000万ルピー(約5000万円)の予算で、有望輸出品目であるペッパー、野菜、プランチーノ、パイナップル、pokkali種イネの栽培に取り組む農民の財政支援に取り組むという。

 Project to bolster organic farming,Hindu Business,7.17

 このうち、952万5000ルピーは、ワイアナード(海抜700mから2100mのほとんど手付かずの自然が残る地域)とイドゥッキ(海抜2000mを超える山にケララでも最も自然に恵まれた山間地域)で有機ペッパー栽培地を1500haに広げるために支払われる。これら地域での有機農業への転換費用を3年間にわたり支援する。ha当たり最大支援額は、初年度で2900ルピー(約7300円)、二年目はその半分、3年目は1000ルピーとする。計画は、適切な病害虫防除法も奨励、有機農業への転換に伴う収量損失を補償するためのha当たり1000ルピーも支払う。

 pokkali種イネの有機栽培の奨励には240万ルピーが当てられる。このうち210万ルピーは1500ha以上の土地での有機栽培奨励に使われ、種子や石灰の購入費用の25%を補填する。また、pokkali米の販売促進のための宣伝も支援するという。

 ケララ州では最近、トリシュール地域の1000haの湿地帯でのイネ有機栽培の成功が報告されている。尿素を使っているために正式な有機認証は未だ得ていないが、収量は通常栽培と同等で、販売価格には多少のプレミアムが付く。インドでは、主に市場の開発がボトルネックとなって有機栽培はまだ散在するにすぎない。しかし、一部スーパーなどとともに、多くの生産者団体・協同組合が、なお未開発の潜在市場の開拓に乗り出しているという。

 Efforts to produce organic paddy turn fruitful ,Hindu Business,5.6