フランス人の77%が”環境”のために有機食品を選好

 農業情報研究所(WAPIC)

08.2.2

 有機食品消費に関するフランスの最近の調査によると、フランス人の77%が環境重視の観点から有機食品の購入を選択している。最近発表された有機農業開発・促進公益集団・Agence BIOの世論調査結果によると、フランス人は食料と環境尊重をますます緊密に結びつけるようになっている。3人に2人は、環境や持続可能な発展の原則を尊重する食品の購入を選び、84%が有機農業の発展を望んでいるという。

 Agence BIO,LA BIO VOIE D’AVENIR POUR 77% DES FRANCAIS:5eme BAROMETRE AGENCE BIO
 http://www.agence-bio.org/upload/actu/fichier/DP_AgenceBIO_310108.pdf

 実際の有機食品消費もますます増える傾向にある。この5年、有機食品市場は年に10%程度の拡大をしてきた。2007年には10人に4人が、少なくとも月に1回は有機食品を消費している。有機食品購入も2003年に比べて増加した。調査の前4週間の間に有機食品を購入したフランス人は、2003年には33%だったが、2007年には37%になった。

 多くの消費者は気まぐれで有機食品を購入しているわけでもない。平均で10年の購入暦がある。5年以上購入を続けている消費者が半数にのぼる。他方、新参者もいる。4分の1はこの3年の間に購入するようになった。さらに、3分の1は調査後6ヵ月の間に有機食品消費を増やす、残りの人も消費を維持するつもりと答えた。

 フランス人は、家庭外での有機食品消費も望んでいる。学校食堂で有機食品をなお食べられない子供を持つ両親の78%が学校食堂で食べられるようになることを希望している。43%がレストランで有機食品を食べたいと言い、就業者の39%は会社のレストランでの有機食品提供を提案している。

 (この調査は
市場・世論調査機関・CSAがの2007年10月25日から11月30日の間に実施したもので、調査対象は性・年齢・職業・地域等に関してフランス人口を代表する1023人)


 わが国は中国産冷凍餃子を食べての農薬中毒で大騒ぎだ。消費者の関心は専ら”食品安全”に向けられ、”環境”どころではない。”環境”が優先問題となるフランスとの違いは一体どこからくるのだろう。少なくとも、フランス消費者の多くは、出来合いの冷凍餃子など食べようともしないだろう。それなしの食生活など考えられないほどにまで変質(”堕落”?)してしまったに日本の食文化との違いからくるのだろうか。