干ばつ・洪水にもかかわらず、オーストラリア有機農業が急成長 

農業情報研究所(WAPIC)

08.7.22

   オーストラリアの有機農業団体・Biiological Farmers of Australia (BFA)が委嘱したニューイングランド大学オーガニック研究グループの新たな研究によると、干ばつの広がりにもかかわらず、有機生産者販売価額は2004年以来80%も増加した。

 BFAの理事であるアンドリュー・モンク博士は、大部分の農業が干ばつと洪水の被害に会うなかで有機部門がこのように急速に成長したのは、有機製品への消費者の関心が高まったこととともに、「有機的に管理された土壌の優れた自然回復力が極端な干ばつや洪水からの回復を早めたからではないか」と言う。

 4年ごとの”オーストラリア有機市場研究報告(AOMR)”の2008年版は今週金曜日にシドニーのダーリングハーバーで開かれるオーガニック・エキスポで公式に発表されるが、それに先立ちBFAが発表した主要な発見は次のとおりである。

 ・小売価額は初めて5億ドルを超え、5億7800万ドルになった。2004年の前回報告以来、部門により異なる年率10%から30%の成長が見られた。

 ・ 2007年の生産者販売価額は2億3100万ドルで、2004年報告の数字に比べて80%増加した。 

 ・オーストラリアの有機認証農地面積は世界最大の1199万fで、その大部分は粗放的放牧に使われている。

 ・認証有機事業者の数は、オーストラリア全体の農業者数が減少した過去5年に年平均5.2%増加した。2007年の認証有機事業者総数は2750で、農業生産者、加工業者、販売業者で構成される。その4分の3が生産者で、オーストラリアの全生産者の1.5-1.8%を占める。

 ・.有機生産者の平均年齢は非有機生産者より低い。有機産業の統合整理が進み、有機農場の平均規模拡大、プロ化が進んでいる。

 ・園芸が主要部門にとどまっている。有機農業者の3分の2ほどが生産者販売価額の半分ほどを販売する園芸農業者である。

 ・消費者の40%が、少なくとも時々有機食品を購入している。

 New research reveals over 80% growth in organic farm gate sales since 2004 despite widespread drought.BFA Press Release,7.22
 http://www.bfa.com.au/_files/080722%20AOMR%20Launch.doc