オーストリア・イタリア:初の狂牛病感染を発見

農業情報研究所(WAPIC)

01.01.16

 火曜日(9日)に屠殺されたイタリア・ロンバルジアで飼育されていた6歳の乳牛の狂牛病検査で陽性反応が出た。これから再検査をし、来週火曜日までに最終的な確認を行なう。イタリアでは、過去、英国から輸入された牛についての2頭の感染が発見されているだけであるが、今回はこの牛を出荷した農家で生まれ、育てられた牛と見られる。しかし、農相は輸入されたように見えると言っている。政府は統制が有効だから発見されたと言うが、イタリア人の牛肉への信頼は、既にフランスのケースへの反応で崩れてしまっている。昨年11月、フランスからの輸入は禁止されたが、12日にはイタリアの検査が適切に行なわれているからその必要はないとして、禁止が解かれた。しかし、消費者団体は、イタリアの安全措置は遅れており、ある新聞はEUの監視官が屠殺場でのコントロールは不適切で、時には存在しないと結論したと報じている。Financial Times(1.16,00:00)よれば、イタリアでは年に400万頭が屠殺されるが、30ヵ月以上の60万頭につき3千の検査しか行なってこなかった。狂牛病拡散への不安から、牛肉消費は最近数カ月で40%減った。

 他方、オーストリアについては、チロル産の7歳牛がドイツに売られ、ドイツでの検査で発見された。この牛は僅か11頭しか持たないアルプスの小農場で飼育されたもので、飼料はほとんど有機家畜飼料であった。オーストリアは狂牛病の恐れがないとして30ヵ月以上の牛に対するEUの義務的検査の免除を要求していたが、検査なしではほとんど輸出できないために2週間前に検査を開始したばかりである。オーストリアは、ドイツの安価な検査手続は信頼性が小さいとして、より精密な検査を行う。

 オーストリアは、1991年以来、動物性蛋白を含む飼料の使用を禁止してきた。

  関連情報
Vache folle:L’Italie alarmée,Le Figaro,01.1.14.
Austria and Itary Hit by Mad Cow Fear,The New York Times,01.1.14.
L’Italie et l’Austriche rattrapées par l’ESB,Ouest-France,01.1.15.
BSE reaches Italy and Austria,The Guardian,1.1.15.
Premier calls for Italy to remain calm,Financial Times,01.01.16.
First suspect case discovered, Financial Times,01.01.16.

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