フランス:1997年生まれの牛に狂牛病確認、感染ルート闇に

農業情報研究所WAPIC

01.04.09

 4月6日、フランス農水省が1997年8月生まれの牛に狂牛病を確認したことを発表した。フランスは、1990年に牛の飼料に肉骨粉を使用することを禁止し、1996年7月には豚と家禽に与えられていた動物粉中の危険物質(脳髄、脊髄)を廃止することで感染を完全に絶ったと考えてきた。1996年7月以降に生まれた牛が感染したことは、肉骨粉が狂牛病の感染ルートとしてきた従来の通説を覆し、従って従来の狂牛病防止措置の妥当性に疑問を投げかける。ル・モンド紙によれば、農水省関係当局と食品衛生安全機関(AFSSA)は、牛の死体から抽出された脂肪を含むミルク代用品か、1年前にグラヴァニ農相が示唆した未だだ神秘に包まれた「第三のルート」を仮説として研究を深めるという(Vache folle:un premier cas d'animal "super-naif" diagnostique en France,Le Monde,2001.4.7,13:08.)。しかし、リベラシオン紙は、動物紛に関する安全確保規制の実施の間違いから説明するのがもっと説明しやすいという(Interrogations sur la vache supernaive,Liberation,2001.4.10)。この間違いとは、1990年以来の反芻動物飼育への肉粉使用の禁止には、実際には飼料中0.3%までの「許容量」があったということであり、リベラシオンは、昨年11月、これを消費・競争・不正行為取締り総局(DGCCRF)が認めた(Liberation,2001.10.21/22)と報じている。ただし、グラヴァニィ農相は、この事実を直ちに否定した。

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