チェコ:狂牛病を確認

農業情報研究所WAPIC

01.06.15

 チェコで狂牛病感染を疑われていた6歳の乳牛が、ドイツでの検査により最終的に狂牛病と確認された。この牛が属する牛群の139頭は即時屠殺、焼却処分をされる。

Czech cow tests positive for BSE,FT com,01.6.14
Czchs Say German Test Confirms BSE Cases,Central Europe Online,01.6.14

 今年4月2日、EUは東欧諸国の狂牛病リスク評価を公表、コントロール強化を要請したが、指摘を受けた国々は強く反発、怒りをあらわにしていた。欧州委員会の再三の警告を無視してきたドイツ等での感染例が急増しているが、その二の舞が演じられたことになる。ともあれ、英国から欧州に広範に広がった狂牛病はEUの壁をついに越え、グローバル化への脅威が現実味を帯びてきた。

 注:EUは世界各国の狂牛病リスクの評価を行っているが、今年2月13日に公表されたボツワナ、ナミビア、ニカラグア、スワジランドに関する常設科学委員会(SSC)の意見は、リトアニアには狂牛病がありそうだ(レベルV)と結論している。また、4月2日に公表されたアルバニア、ブラジル、コロンビア、キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、インド、モーリシャス、パキスタン、ポーランド、シンガポール、スロバキアに関する意見では、狂牛病がありそうもないのはブラジルとシンガポールだけで、インド、パキスタン、コロンビア、モーリシャスではありそうもないが可能性がまったくないわけではない(レベルU)、アルバニア、キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ポーランド、スロバキアでは十分にあり得る(レベルV)と結論している(SSC Opinions)。この意見でレベルVとされた国々は怒りをあらわにしているが(Eastern Europe 'must tighten BSE rules',Financial Times,2001.4.3.p.3;Czechs Angered at Being on List of Countries With High BSE Risk,Central Europe Online,2001.4.4,Warsaw Protests EU Labeling Poland Risk Country for Mad Cow Disease,Central Europe Online,2001.4.6,Prodi Seeks to Soothe Hungarian Anger Over Mad Cow Embargo,Central Europe Online,2001.4.6)、ドイツの二の舞になることを恐れる(農業情報研究所「狂牛病の欧州化グローバル化」より)。

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