農業情報研究所


英国:狂牛病検査は初期の症候の発見に失敗

農業情報研究所(WAPIC)

2001.11.8

 11月8日付けの英国・The Times紙が報ずるところによると、海綿状脳症諮問委員会(SEAC)のRoy Andersonが、ヨーロッパの狂牛病(BSE)は公式統計が示すよりはるかに広まっている可能性があるとして、昨日、議員に対して検査の信頼性を検証するための緊急行動を要請した。

 彼によれば、検査は最終局面にあるBSEを発見できるだけであり、潜伏期の病気は発見できない。今年1月から始まった屠殺場でのランダム検査は病気を見逃している恐れがある。潜伏期の病気を検出する検査の開発を急がねばならない。今年8月までに、EU全体で食肉市場に入る牛415万4659頭が検査されたが、陽性は145だけで、英国では、この種の牛は1頭も検査されていない。

 彼は、SEACが数カ月前に問題を提起したが、環境・食糧・農村問題省(DEFRA)は何も行動を取らなかったと語る。

 BSE test fails to detect early signs,The Times,01.11.8

(WAPIC・コメント)わが国の「全頭検査」で病気が1頭にも発見されなかったとしても、「日本には、もはやBSEはない」と結論することはできないであろう。上記の記事はそのことを示唆している。

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