農業情報研究所


英国:食品規格局(FSA)、過去の機械的回収肉の研究に資金

農業情報研究所(WAPIC)

2001.11.9

 狂牛病(BSE)に関する政府諮問委員会(SEAC)の求めにより、英国食品規格局(FSA)は、1980ー1995年の間(WAPIC注)に機械的回収肉(MRM)に曝された消費者について検討する10ヶ月の研究プロジェクトに資金を供給する。

 この研究は、屠畜場、食肉処理工場、MRMの生産、MRMを含む肉製品(ベビー・フードを含む)、食肉卸・小売業など、チェーン全体をカバーする。

 FSAによれば、この研究は、MRMの消費から変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に感染するリスクをより適切にく評価し、vCJDの広がりを測定するのを助ける。

 利用可能な情報は限られたものになろうが、FSAは、公式サーベイの範囲を越える個人または組織がもつ過去の慣行に関する情報や知識も含め、できるだけ包括的な情報収集を望んでいる。研究結果はSEACに報告され、公表される。

BSE Contorol Review,Latest News:Agency funds MRM research,01.11.8

 注:脊椎が付着した小肉片(「機械的回収肉」またはMRM)を人間食料用に機械的に回収する方法については、1989年から懸念が表明されていたが、1995年まで対策は取られなかった。2000年10月のBSE調査委員会報告によれば、牛の脊椎からのMRMの採取が禁じられた1995年まで、MRMは、人間のBSE感染源の一つであり得た。脊髄の一部が含まれるリスクだけではなく、MRMにより回収される物質には背根神経節が含まれていたからである(これらは、当時、感染性をもたないと考えられていた抹消神経組織であるが、その後、潜伏後期には感染性をもつことが立証された)。

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