EU:科学運営委員会、BSEの起源等についての新たな意見
01.12.3
12月5日、EUの科学運営委員会の新たな4つの意見が公表された。これらの意見は、BSEの起源または伝達経路、肉骨粉の完全禁止後に生まれたイギリスの6頭の牛のBSE確認に伴うイギリスのBSEリスクの評価、牛・羊・山羊に関するEUワイドのBSEサーベイと検査、医療用品の安全な調達に関係するものである。
1.BSEの起源と伝達経路については、病源体としては起源が知られていないプリオン、伝達経路としては主として飼料(禁止品の混入も含めて)、母子感染(数はより少ない)という仮説を確認、第三の伝達経路は、今までのところでは科学的証拠がないとしている。
2.肉骨粉全面禁止後に生まれたイギリスの牛の件では、以前よりもBSEリスクが高まったとはいえないとして、現在の輸出規制を修正する必要はないとした。
3.サーベイと検査に関しては、牛・羊・山羊のBSEとTSE(伝達性海綿状脳症)の分布に関する統計的に信頼できるデータが必要とし、サンプルに関する技術的基準について述べている。牛のサンプリングについては、リスクのある牛(死亡牛など)にもっと焦点を絞るべきだとしている。羊と山羊については、リスクのある動物の確認が難しいから、多くの国は屠殺に出される動物をターゲットにし、検査頭数も増やさねばならない。サーベイは、TSEに感染していると疑われる動物が故意に検査計画からはずされることがないように保証する付随措置が必要という。
4.医療用品の調達に冠しては、BSEが高度にありそうもない国(レベル1)から調達に関する意見を見直し、そのような国からのガットの使用にリスクはないとした。
Opinion on hypotheses on the origin and transmission of BSE (adopted on 29-30 november 2001)