イギリス:研究者、輸入飼料がBSE感染源

農業情報研究所(WAPIC)

2002.2.26

 イギリスでは1996年に肉骨粉を一掃する措置を取ったが、その後に生まれた牛のBSE(狂牛病)が確認され(現在までに13頭)、新たな感染源の調査が進められている。そのなかで、25日、vetennary laboratory agencyのワイルスミスは輸入飼料がこれらのケースの感染源だという研究結果を明かにした。

 彼は、間もなく発表される7年間の政府の研究は感染した牛の子がBSEにかからなかったことを示しているとして、肉骨粉以外のもう一つの感染源と疑われる母子感染を否定する。その上で、船や港で肉骨粉が混入した輸入飼料が感染源だと確信するという。

 イギリスは、まだ肉骨粉を使用している国からのものも含む植物蛋白質をおよそ3500万トン輸入している。しかし、肉骨粉が混入した飼料の輸出国については、環境食料農村問題省も食品企画庁も特定していない。ワイルスミスの研究は未公刊であるが、来月のVetennary Recordに発表されるはずである。

 BSEと変異型ヤコブ病の専門研究者であるロンドン・インペリアル・カレッジのChristl Donnellyは、ワイルスミスのペーパーは見ていないが、母子感染がまったくないというのは飛躍があるが、この研究が認められれば、飼料の調査に有益だという。

 BSEの輸入の脅威については、先月、家畜飼料諮問委員会が問題を提起し、肉その他の動物製品供給国に課されるべきEUの動物福祉・保健基準を要請している。この委員会は「これらのリスクが他の国では比較的少ないとしても、反芻動物(牛・羊・山羊)を哺乳動物物質で飼育するのは世界中で禁止するのが望ましい」と述べている。

 穀物・飼料取引協会のスポークスマンは、輸入植物蛋白はBSEがない国からのもので、船も肉骨粉輸送には使われていないと反発している。

 Government scientist blames contaminated cattle feed imports for latest BSE cases,Guardian,2.26
 Imported animal feed carries BSE risk, says scientist,The Times,2.26
 BSE 'still reaching Britain in feed',BBC News Online,2.25

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