農業情報研究所


フランス:トラックでの肉骨粉混入の危険性、改めて調査へ

農業情報研究所(WAPIC)

02.4.5

 4月2日づけの「リべラシオン」紙によると、フランス農水省の食料総局(DGAL)がトラック輸送の際の肉骨粉混入の危険について改めて調査に乗り出した。

 現在、飼料に肉骨粉を使うことは禁止されているが、ペット・フードや人間の食用とならない観賞魚の飼料への使用はなお認められている。ある日フリスキーの工場に肉骨粉を運んだトラックが次の日には養牛農家にトウモロコシを運ぶということもあり得る。タンクやトラックは正しく洗浄されず、混入の危険がある。焼却工場に向かう肉骨粉輸送トラックが、次には人間の食料を運ぶこともあり得る。最近の規則は、これら様々な商品を同時に輸送することは一般的に禁じている。しかし、トラックが多少なりとも洗浄されれば、交互輸送は認めている。

 2月25日、DGALは「最近の調査は、輸送の際に人間または動物の食料用途の原料が肉骨粉に汚染される危険性を明かにした」という覚書をすべての関係当局に送った。幾度かの不意打ちの監査により、一握りの輸送業者が洗浄に関する規則をほとんど守っていないことが確認されたという。DGALの調査は、このようなやり方がどの程度広まっているかを調べ、規則の強化が必要かどうかはっきりさせねばならない。

 昨年6月、日本でも混入防止のための「ガイドライン」が作られたが、どの程度厳正に守られているのだろうか。改めて気になるところである。フランスの場合には、死亡牛はすべて検査されており、肉骨粉から危険部位は取り除かれているから、現実のリスクは小さいと思われる。しかし、日本の場合、検査対象となる死亡牛は僅かであり、感染確認を恐れる農家が乳廃牛を食用とするための屠殺に出さず、次々と処分、レンダリングにまわしている。混入防止に少しでも穴があれば、それが新たなBSE感染源となる現実的危険性が大きい。これらの問題のすっきりした解消が遅れれば遅れるほど、BSEリスクが低レベルの国、あるいはBSEが「ありそうもない」国の地位の回復が遅れるばかりである。

 LE PRION POURRAIT TRANSITER EN CAMION,Liberation,4.2

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