農業情報研究所


アイルランド:BSE高発生国化の危機でフランス・ドイツに支援要請へ

農業情報研究所(WAPIC)

02.5.7

 アイルランドのBSE発見件数が急増している。2年前、病気や死亡した牛の検査、30ヵ月以上のすべての牛の検査が導入されたためである。この検査の導入前には、各年100件未満だったが、2000年には149件、2001年には246件と急増、今年は今までに既に139件となっている。

 このために、従来の低発生国の地位が危うくなり、100万頭につき100頭以上という国際獣疫事務局(OIE)基準の高発生国に分類される可能性が出てきた。そうなれば、EUにより、イギリス・ポルトガル並みの輸出規制が課せられることになる。これは、8割まで輸出に依存するアイルランド牛肉産業にとって死活問題である。

 そのために、アイルランドは、ブリュッセルで、この危機を防ぐようにフランス、ドイツの支援を求める。論拠は、30ヵ月以上の牛のすべての牛の全頭検査で消費者は保護されているのだから、食料チェーン向けでない牛の検査により不利益となってはならないということである。農業省は、BSE確認件数の増加は専ら検査の増加から生じたもので、発生率の増加は意味しないと言っている。

 Ireland seeks support of France to change BSE risk gradings,ireland.com ,5.6

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