アイルランド、20歳男性にvCJD2例目の疑い

農業情報研究所(WAPIC)

04.10.25

 アイルランドのマスコミ報道によると、22日夜、アイルランド2番目の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を疑われる患者がダブリンの病院で手当てを受けていることが判明した。20歳と思われる男性の一連の検査が進行中である。CJDの政府諮問委員会委員長・ウィリアム・ホール教授は、詳細を明らかにしていないが、すべてではないが、一部診断基準に合致することを明らかにした。

 アイルランドでは、かつて英国に住んだ若い母親が犠牲となった1例があるが、しばらく沈静してきた牛肉を食べることへの不安が再燃する恐れがある。アイルランドのBSE発生率は80年代半ばまでの英国ほどには高くない。89年以来の確認件数は、10月15日現在で1,459件になる。だが、その大半は、01年の30ヵ月以上のと畜牛全頭検査と24ヵ月以上の死亡牛等の全頭検査が導入されたのちに発見されたもので、それ以前には見逃された感染牛も多かったに違いない。検査導入後に一時急増したBSEも、96年以来の肉骨粉全面禁止の効果か、最近は減少傾向がはっきりしている(肉骨粉全面禁止後に生まれた若干の牛の感染も発見されているが)。ただ、これらの検査でも検出限界があるから、これを考慮すれば、BSEのケースはさらに増えるだろう。従って、英国ほどではないとしても、感染牛はかなりの数になるだろう。

 ホール教授は、vCJDがどれほど発生するか予測することは難しいが、20人程度になる可能性もあると明らかにした。

 Doctors test patient for suspected case of vCJD,The Irish Independent,10.23