英国研究者、CJD伝達リスクを大きく減らす手術具洗浄剤を開発

農業情報研究所(WAPIC)

05.2.25

 BBC Newsによると、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究者が手術でクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が伝達する可能性を減らす洗浄剤を開発した(Breakthrough in cutting CJD risk,BBC,2.25http://news.bbc.co.uk/2/low/uk_news/4296467.stm)。年末には利用できるようになるという。

 潜伏期のCJD患者が手術を受けると、CJDの原因とされる異常プリオン蛋白質で汚染された手術具を通して、そうとは知らずに他の人に病気を伝達する恐れがある。この種の人間の病気には、血液を通じて伝達する現実的可能性が最近発見されたBSEの人間版・vCJDがあり、さらに古典的な孤発型CJD類似の未知のBSWE関連病もあり得ることが分かってきた。いずれも発病後あるいは死後でなければ診断はつかないから、手術を通してこうした病気に感染するリスクは、従来考えられていた以上に大きいかもしれない。

 しかし、異常プリオン蛋白質は大抵の物理的・化学的処理では活性を減らせても、ゼロとすることはできない。手術具を交換しないかぎり、このリスクは完全には消えない。研究者は400の化合物をテスト、そのうちの一つが異常プリオン蛋白質を検出できないほどに破壊することを発見した。手術具を溶液に1時間浸けるだけでよい。年末までには、病院で使える溶解性のる安価なタブレットを作るという。