国内22例目の狂牛病確認 2000年生まれのケースが5頭に

農業情報研究所(WAPIC)

06.1.25

  農水省が23日、国内22例目となる新たな狂牛病が確認されたことを発表した。新たなケースは2000年9月生まれで、生後64ヵ月のホルスタイン・雌という。1月21日に北海道で実施した農場サーベイランスのエライザ検査で陽性となり、動物衛生研究所の二次検査でも陽性であることが23日に確認された。

 http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20060123press_10.html

 この牛は今月20日に北海道根室管内別海町の牧場で死に、検査に回されていたという。死亡牛としては国内5頭目のケースとなる。

 2000年生まれのケースとして、04年10月(14例目)、05年4月(17例目)、6月(20例目)、12月(21例目)に4例が確認されており、それらに続く5例目となる。13例が確認されている95-96年生まれのグループに次ぐ数で、地理的にも北海道に集中している(参照:国内21例目の狂牛病 2000年生まれが4例に 新たな感染源発生の疑いが濃厚)。共通の感染源の存在が疑われる。徹底的調査により感染源解明につなげて欲しいものだ。

 これまでの調査で判明した限りでは、14例目、17例目、20例目の3例に共通する飼料(動物性原料を含むもの)として、科学飼料研究所高崎工場が製造・輸入元の代用乳用配合飼料・「ミルフードAスーパー」がある。その原材料は、脱脂粉乳、濃縮ホエーたん白、血しょうたん白、乾燥ホエー、カゼイン、動物性油脂、ぶどう糖、植物性ガム物質、フラクトオリゴ糖シロップ、食塩、飼料用酵母、卵白粉末、ケイ酸であった。

 21例目に与えられた動物性原料を含む飼料は、全国酪農農業協同組合連合会関東飼料工場が製造・輸入元の代用乳用配合飼料・「サツラクニューカーブミルク」で、その原材料は、脱脂粉乳、濃縮ホエーたん白、乾燥ホエー、濃縮大豆たん白、動物性油脂、食塩、植物性油脂、植物性ガム物質、ぶどう糖、全卵粉末、飼料用酵母、イソマルトオリゴ酸であった。

 なお、これまでの感染確認例一覧表を下に掲げておく。

 

最終確認年月日

確認例の出生・飼育県

出生年月と確認時の生後月齢

01.09.21

北海道常呂郡・千葉

96.03、66

01.11.21

北海道宗谷郡猿払村

96.04、67

01.12.02

群馬

96.08、68

02.05.12

北海道白糠郡音別町

96.03、71

02.08.23

神奈川

95.12、80

03.01.20

北海道川上郡・和歌山

96.02、81

03.01.23

北海道網走市

96.03、79

03.10.06*

栃木・福島

01.11、23

03.11.04**

兵庫・広島

02.02、21

10

04.02.22

神奈川

96.03、95

11

04.03.09***

北海道川上郡標茶町

96.04、95

12

04.06.13

熊本

99.03、62

13

04.09.23

奈良

96.02、103

14

04.10.14***

北海道河東郡鹿追町

00.10、48

15 05.02.26*** 北海道中川郡本別町 96.08、102
16 05.03.27 北海道天塩郡天塩町 96.03、108
17 05.04.08 北海道河東郡音更町 00.09、54
18 05.05.12 北海道砂川市 99.08、68
19 05.06.02 北海道野付郡別海町 96.05、109
20 05.06.06 北海道河東郡鹿追町 00.08、57
21 05.12.10*** 北海道千歳市 00.02、59
22 06.01.23*** 北海道野付郡別海町 00.09、64

*非定型BSE、去勢雄ホルスタイン、**定型、去勢雄ホルスタイン,***死亡牛