吉野家 9月を過ぎて米国産牛肉輸入再開がなければ(政府が)怠慢

農業情報研究所(WAPIC)

06.4.8

 吉野家ディー・アンド・シーが、米国産牛肉の輸入再開を前提に、2007年2月期の連結営業利益が前期の約2倍の53億円となる見通しを発表したそうである。牛肉輸入再開の見通しは立っていないが、安部修仁社長は、「9月を過ぎて再開されていないなら怠慢」と指摘したという(日本経済新聞、4.8、9面)。

 誰が「怠慢」かは書いてないが、輸入再開を決めるのは政府だから、政府が怠慢ということなのだろう。何の権限があってこんなことが言えるか。政府は怒らないのだろうか。それとも、企業に期限を突きつけられて、9月までの再開を急ぐのか。

 いずれにせよ、人々の健康などそっちのけ、商魂のみがこんなことを口走らせるのだろう。この企業も、油・砂糖・塩分たっぷりの食品でなければ満足できなくなってしまった消費者を食い物にする世界のトップ25食品企業を変わるところがない(世界のトップ食品企業の不健全な食事との戦いは口先だけー英国の監査報告,06.4.7)。

 しかし、企業ばかりを責めているわけにはいかない。消費者が”食い”改めねば、企業も変わらない。狂牛病にもかかわらず、牛丼が売り出されれば消費者が殺到する現状では、これはほとんど絶望的だ。