米国産七面鳥肉等の積荷中に牛肉加工品混載 米国の輸出管理はどうなっているのか

農業情報研究所(WAPIC)

06.7.15

 農水省が米国産七面鳥肉等の積荷中に輸入を停止している同国産牛肉加工品が混載されていたと発表した。

 米国産七面鳥肉等の輸入コンテナに牛肉加工品が混載されていた事例について,06.7.14
 http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20060714press_17.html

 7月10日夜、米国から輸入された箱入り米国産七面鳥肉1,222箱(約10t)・豚ハム2,000箱(約5t)の積荷中に箱入り同国産牛肉加工品(ローストビーフ)1箱(約7kg)の混載が認められ、直ちに焼却処分を指示した 。関係機関を通じた事実確認によれば、米国で誤って日本向けに積み込まれたものと判断され、農水省は、在京米国大使館を通じ米国政府に対し事実関係を伝達するとともに、必要な改善措置を取るよう申し入れた という。

  米国の輸出管理は一体どうなっているのだろう。米国産牛肉・内臓輸入再開をめぐる不安要因がまた加わった。

 この件に関する米国側からの公式発表はないようだが、ロイターの報道によると、米国農務省(USDA)のロイド報道官は、これは食品安全の問題ではなく、不適格な製品の拒絶により適切に処理されるべき問題だと言っている。USDAは、ローストビーフは適切に包装され、表示されているが、大量の取引が生じる場合にはエラーが起こり得る、「これは些細な事故で、進行中の輸入再開に向けた動きに影響を与えるとは思わない」と言う。 

 Japan finds banned US beef in ham, turkey shipment,Reuters via Yahoo! News,7.14

  大量の取引の際には輸入停止品が混載される「エラー」が起きるだろうが、それは食品安全とは無関係な些細の事故だと言われも輸入再開に踏み切る間抜けな政府は日本政府くらいかもしれない。大抵の政府は、エラーが二度と起こらない保証を求めるだろう。