ロシア カナダ産繁殖牛の輸入を再開へ ロシアでBSE発生の情報もあるが・・・

農業情報研究所(WAPIC)

06.10.21

 カナダ農業食料省の発表によると、ロシアが2003年5月の狂牛病(BSE)発生以来停止していたカナダの繁殖牛の輸入再開に合意した。ロシアは、一定の骨無し牛肉の輸入の再開も示唆している。

 輸入停止前、ロシアは400万ドル相当の繁殖牛と牛肉をカナダから輸入していたという。

 News release:RUSSIA TO OPEN BORDER TO CATTLE AND BONELESS BEEF FROM CANADA,06.10.19
 http://www.agr.gc.ca/cb/index_e.php?s1=n&s2=2006&page=n61019

 なお、先日、AFPが、ポーランドとリトアニアの間のロシア飛び地領・カリーニングラードで1頭の牛にBSEが発見されたと報じた。ただ、この報道は、この牛に接触した2人が”ワクチン接種”を受けたと報じており、発見当局にBSEに対する正確な知識があるのかどうか疑われる。また、ロシア政府は2005年、モルドバの4つの農場で10頭ほど の牛にBSEが発見されたと発表したとも伝えている。

 カリーニングラードは、48頭の牛にBSEが確認されているポーランドに隣接する。モルドバはポーランドからはいささか遠く、94年以前にイギリスがロシアに肉骨粉を輸出したという記録もないが(イギリスの肉またはくず肉の粉・ミール・ペレットの輸出先と輸出量)、EU諸国から は大量に輸入していたと思われる(EUの肉骨粉主要輸出国と輸出量)。 さらに、1993年には輸入牛にBSEの発生を見たカナダからも繁殖牛を輸入していたとすると、ロシアにBSEが侵入していると考えてもおかしくはない。 

 とはいえ、これらの事実は国際獣疫事務局(OIE)さえ把握していないようだ。この情報の真偽は、今のところ見極め難い。

 Mad cow disease found in Russia near the EU border,AFP via Yhoo! News,10.17