OIE科学委員会のBSEステータス案 現実のBSEリスクとは無関係

農業情報研究所(WAPIC)

07.3.24

 農水省が22日、米国のBSEステータスを「管理されたリスク」とする案など、国際獣疫事務局(OIE)科学委員会のBSEステータス案の概要を公表した。

 http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070322press_8b.pdf

 これを見ると、これらの評価案が、なお極めて不確実な根拠しか持たないことがはっきりする。例えば、「管理されたリスク」国とすることが提案されているカナダ、台湾、米国、ブラジル、チリのいずれに関しても、飼料規制やサーベイランスの有効性にかかわる一層の改善や検証が要求されている。米国に関しては、「感染力を持つ可能性のある原料が動物用飼料として利用され続けるかぎり、交差汚染の可能性が存在することから、動物用飼料からSRMを除去することについて注意深く検討すべきであることを助言する。また、2006年の飼料規制条件の管理と査察の状況、サーベイランスのデータについて報告を求める」と言う。

 それにもかかわらず、これらの要件が満たされないままに5月のOIE総会が評価案をすんなり認めるようなことになれば、OIEお墨付きの「ステータス」は現実のBSEリスクとはほとんど無関係なものとなってしまう恐れがある。とりわけ飼料からのSRM除去を未だに拒み続ける米国を「管理されたリスク」国と認めれば、OIEステータスには何の説得力、権威もなくなるだろう。