欧州委 スクレーピーの牝羊・山羊の乳・乳製品禁止を提案 今月中にも実施か

農業情報研究所(WAPIC)

08.11.10

  ル・モンド紙によると、欧州委員会が小反芻動物(羊・山羊)の伝達性海綿状脳症(プリオン病)の一種であるスクレイピーに罹った牝羊・牝山羊からの乳と乳製品の販売を禁止する提案を用意している。

 11月7日、EU加盟国の専門家がこの問題に関する最初の会合を開いた。加盟国の合意がなれば、今月中にも禁止措置が取られようという。

 Bruxelles suggère des restrictions sur la vente du lait d'ovin et de caprin,Le Monde,11.8

 これは11月6日に発表された欧州食品安全機関(EFSA)のリスク評価結果を受けてのものだ。今年4月、イギリスの研究チームが、この病気の病原体が食べものを通して伝達 することを示唆する研究を発表した。これを受けた欧州委員会の諮問に対し、EFSAは感染動物群由来の乳製品、感染牝羊・牝山羊の乳は、動物と人間のこの病気の病原体への暴露のリスクを呈し得ると結論した。ただし、スクレイピーの人間への伝達は今までに立証され ていないことから、この結論は人間よりも動物に当てはまるという。

 EFSA evaluates TSE risk from small ruminants’ milk,EFSA,11.7

 これを受け、欧州委員会は、乳を通じてのこの病原体への暴露を制限する措置が必要と考えたということだ。