カナダ 15例目の狂牛病確認 アルバータ州の80ヵ月齢の乳牛

農業情報研究所(WAPIC)

09.5.16

  カナダ食品検査局(CFIA)が5月15日、アルバータ州の80ヵ月齢(従って02年10月生まれ)の乳牛に狂牛病(BSE)が確認されたと発表した。カナダ15例目(米国ワシントン州で確認されたアルバータ生まれの牛も含めれば16例目)のBSE確認となる。

 CFIAは、場所からしても、年齢からしても今までの例と変わらないから、これは新たなリスクの出現を意味するものではなく、カナダは依然としてOIEが認めた「制御されたリスク」国にとどまり、このケースがカナダの牛や牛肉の輸出に影響を及ぼすものではないと言う。

 BSE Case Confirmed in Alberta,CFIA,5.15
 http://www.inspection.gc.ca/english/anima/heasan/disemala/bseesb/ab2009/16notavie.shtml

 しかし、カナダがWTOに訴え、現在協議中の韓国の輸入禁止をめぐる紛争への影響は避けられそうにない(カナダ政府 カナダ牛肉輸入禁止で韓国をWTO提訴,09.4.10)。それにしても、飼料規制がカナダとかわるところがなく、牛・牛肉・飼料市場も一体化していた隣接米国地域でBSEがまったく発見されないのは不可思議というほかない。

 なお、今までにOIEに報告された世界各国の今年(09年)のBSE確認は、イギリス:4件(3月31日現在)、アイルランド:5件(4月30日現在)、ポーランド:4件(4月23日現在)である。 

 http://www.oie.int/eng/info/en_esb.htm

カナダ生まれの牛の狂牛病確認例

 

確認年月

発生地域(出生地域)

畜種

年齢または出生年

1 2003.05

サスカチェワン州・アルバータ州隣接地域

アンガス

8歳(1995年)

2 2003.12 米国ワシントン州(アルバータ州) ホルスタイン

1997年

3  2005.01  アルバータ州 ホルスタイン

1996年

4 2005.01 アルバータ州 肉用牛・シャロレー

1998年

5 2006.01 アルバータ州 交雑種

6歳(2000年)

6 2006.04 ブリティッシュ・コロンビア州 乳牛

6歳(2000年)

7 2006.07 マニトバ州 交雑種

15歳

8 2006.07 アルバータ州 乳牛

50ヵ月齢(2002年)

9 2006.08 アルバータ州 肉用牛

8-10歳

10 2007.02 アルバータ州 非去勢雄牛

79ヵ月齢(2000年)

11 2007.05 ブリティッシュ・コロンビア州 乳牛

66ヵ月齢(2001年)

12 2007.12 アルバータ州 肉用牛 13歳(1994年頃?)
13 2008.02 アルバータ州 乳用牛

6歳(2002年頃?)

14 2008.06 ブリティッシュ・コロンビア州 ホルスタイン 5歳
15 2008.08 アルバータ州 肉用牛 6歳
16 2009.05 アルバータ州 乳用牛 80ヵ月(6.7歳)

(このほか、1993年にアルバータ州で英国からの輸入牛に狂牛病が確認されている)