農業情報研究所狂牛病ニュース:2017年1月25日

 これまでにない遺伝子型の変異型ヤコブ病患者を確認 人間版狂牛病の第二波は来るのか イギリスの研究者

  イギリスの研究者が2016年に36歳で亡くなったイギリス人男性が新たな型の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)に罹っていたことを明らかにした。

 いままでこの病気に罹った人―世界で227人、イギリスで177人―は全てプリオン蛋白遺伝子コドン129MM(メチオニンホモ接合)型であったが、この男性の遺伝子型はMV(メチオニン・バリン)型であったという。

 今まで人間の感染例はないものの、人間の遺伝子を持つマウスを使った実験ではMV型マウスへのvCJD伝達が確認されいる。ただし、MM型マウスはほとんどすべてが発症したがMV型マウスでは1匹発症しただけで 他のマウスは発症前に高齢などの別の原因で死んだ。これは、MV型の人のなかにも潜伏期間が長いために発見されないvCJD患者が多数存在する可能性を確認するもので、特に潜伏期間の患者の血液の輸血などを通してこの病気の第二の大波が生じる可能性も排除されないとされてきた(隠れたvCJDがすべての遺伝子型の人に伝達、人→人感染根絶は困難ー新研究 農業情報研究所 06.3.27)。

 研究者は、この病気の第二波がやって来るのか、それともそんな怖れには根拠がないのか、それはまだ分らないが、今後も監視を続けることが重要だという。(日本人はほとんどの人がMM型というから、このリスクは比較的小さい)

  Variant Creutzfeldt–Jakob Disease in a Patient with Heterozygosity at PRNP Codon 129,New England Journal of Medicine,,January 19, 2017

  関連ニュース

 Un cas atypique de variant de la maladie de Creutzfeldt-Jakob,Le Monde,17.1.25