タスマニア 飲料水汚染で木材企業の水源域でのアトラジン等使用を禁止

農業情報研究所(WAPIC)

08.5.19

 オーストラリア・タスマニア公衆衛生局長が、世界最大クラスの広葉樹木材輸出企業・ガンズ社の飲料水水源地域におけるトリアジン除草剤―アトラジンとシマジン―使用を禁止した。ロスの街の水道水から国の基準 (0.5ppb)の倍以上のレベルのシマジンが再三検出されたからだ。冷涼気候の下では長く残存することから、この地域だけでではなく、涼しい州でのこの薬剤の使用も再検討が必要かもしれないという。

 Gunns hit with ban on use of herbicide,The Australians,5.17
  http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,23711609-601,00.html

  この動きは、米国研究者がオーストラリアの飲料水基準の半分のレベルのアトラジンでも人間の細胞に悪影響を及ぼすことを発見したというThe Australian紙の先週初めの報告を受けたものという。局長によると、これは調査中の問題だが、タスマニアの環境ではより暖かい気候の下でよりもトリアジン除草剤が長く残留するかどうかも問題で、それを示唆する研究もある。この問題がはっきするまで、特に飲料水水源地域でのこの除草剤の使用を避けるのが最善だと言う。