英国女性 農薬散布をめぐる法定闘争に勝利 政府は政策を見直せ

農業情報研究所(WAPIC)

08.11.15

  政府は繰り返し農薬に曝される農村住民の保護を怠っている、このように訴えて政府と闘ってきた英国女性のジョージナ・ダウンズが遂に勝利を勝ち取った。

 彼女の訴えに、高等裁判所は、彼女が作物に散布するために使用される化学物質に曝される人々が害を受けてきた”堅固な証拠”を生み出した、政府は農村コミュニティを有毒物への暴露から保護することを意図するEU指令の遵守に失敗したと答えた。

 判事は、環境食料農村省(DEFRA)はその政策を再評価し、暴露された人々へのリスクを調査せねばならないと言う。その上、ゴードン・ブラウン首相には、DEFRAに よるいかなる控訴も阻止するように要請した。

 ウエスト・サセックス、チチェスター近くの農場の縁辺に住むダウンは、2001年、”英国農薬キャンペーン”UK Pesticides Campaign)をたった一人で立ち上げた。判事は、彼女が最初に農薬に曝されたのは11歳のときだった、それ以来、特にインフルエンザ類似の症候、喉の炎症、水泡などの体の不調が始まったと述べる。

 ダウンは、政府は、「毎年、そして私のように数十年間、農薬その他の化学物質の混合物に繰り返し曝されている農村地域住民の懸念に取り組むのを怠ってきた」と言う。彼女の訴えでは、人々は、家や庭の近くで何が散布されるか、事前の通知を受けていない。判事は、1986年農薬コントロール規則(1986 Control of Pesticides Regulations )は、蜂に有害な農薬を散布する場合には養蜂業者は48時間前に通知を受けねばならないとしているのに、住民が蜂よりももっと悪い立場にあるのは理解し難いと指摘したそうである。 

 Campaigner wins pesticides court battle,The Guardian,11.15
 http://www.guardian.co.uk/environment/2008/nov/14/pollution-health