農薬、特に有機塩素系殺虫剤への職業的暴露とパーキンソン病に強い関連　フランスの新研究

農業情報研究所（WAPIC）

09.6.20

　フランス国立衛生研究所とピエール･エ・マリー-キュリー大学の研究が、フランス農業社会共済（MSA）のデータの分析により、パーキンソン病と職業的農薬使用の関連性を確認した。しかも、この関連性は若い農業者よりも高齢の農業者で強く、農薬への暴露量との関連も認められた。特に、有機塩素系殺虫剤に暴露された人の発病リスクは、普通の人に比べて2.4倍も高かったという。

　今までもパーキンソン病と農薬への暴露の関連を示す研究はあったし、フランス社会保障裁判所は2006年、旧農業賃金労働者のパーキンソン病を職業病と認めている。しかし、リスクと農薬の種類・暴露量との関連を証拠立てる研究はなかった。研究者は、研究結果は、パーキンソン病と職業的農薬暴露の関連を支持するとともに、一部農薬（有機塩素系殺虫剤）が特に強く関係していることを示すと解釈している。

　Alexis Elbaz et al.,Professional exposure to pesticides and Parkinson's disease,Annals of Neurology
  Abstract:http://www3.interscience.wiley.com/journal/122322358/abstract