米国中で販売されている中国製子供用ジュエリーに大量の有害・有毒のカドミウム

農業情報研究所(WAPIC)

10.1.12

  AP通信が依頼した検査で、アメリカの国中で購入されたブレスレットやペンダントなどの低価格子供用金属ジュエリーに高レベルのカドミウムが発見された。検査されたのは103の品で、すべて実質中国製だった。12品目は重量で少なくとも10%のカドミウムを含んでいた。一つの品では91%がカドミウムで、その他のものも80%以上がカドミウムだった。ウォルマートで売られているブレスレットの飾りやペンダントにも高レベルのカドミウムが発見された。

 子供は吸ったり、噛んだりすることで、脳の発達を阻害し、最悪の場合にはがんや腎臓、骨に決定的ダメージを引き起こすこの有害物質を体内に摂り込む恐れがある。

 なぜこんなことになったのか。2008年に子供向け製品に鉛を使うことが禁止された。メーカーは代替物質探しに走った。ちょうどそのころ、ニッケル−カドミウムバッテリーのデザイン変更でカドミウムの価格が急落した。そのためではないかという。

 Walmart pulling jewelry cited in AP cadmium report ,AP,1.12
 http://hosted.ap.org/dynamic/stories/U/US_CADMIUM_JEWELRY?SITE=ALMON&SECTION=HOME&TEMPLATE=DEFAULT

 この検査結果が報告された翌12日、米国消費者製品安全委員会(CPSC )議長は、国際玩具安全性会議が開かれている香港で、製造業者が子供用製品の鉛の代わりにカドミウム、アンチミニー、バリウムを使わないように保証するように各国に要請した。「我々すべてが、おもちゃや子供製品から危険または有毒な重金属を排除することを約束すべきだ」と言う。そして、委員会はただちにAPの発見についての調査を開始」すると、できるかぎり迅速な行動を約束した。

 CPSC Chairman’s Statement on Cadmium in Children's Products,CPSC,1.12

 ただし、中国製品の安全性については過敏なはずの日本は、消費者庁はもとより、マスコミも、まだこの情報に気づいていないようだ。