農業情報研究所


ロシア:地球温暖化は旧ソ連南部に破滅的影響

農業情報研究所(WAPIC)

01.5.24

 最近の『ロシアのファシズム』の著者でもある独立研究者が「モスクワ・タイムズ」紙に「将来の砂漠」という記事を載せている。彼は、以前の記事で、ロシア極北地域は地球温暖化により「泥の海」になると書いているが、今回は、旧ソ連南部への地球温暖化の長期的影響は破局的なものであるという。

 これら地域では、既に水分の不足から土壌の侵食、塩害、砂漠化の被害が広範囲に広がっており、この過程は、主として土地や水資源の管理が行き届かないことに起因したが、地球温暖化はこれに拍車をかけることになる。

 中央アジアの水は、ほとんど北部・西部の高山の雨・雪・氷から来るが、温暖化によりこの流量は減るであろう。1990年代の流量は、以前の30年間の平均流量より多く、この予測と矛盾するように見えるが、この流量増加は氷河が溶け出しているからである。温暖化の最悪の影響は、万年氷と氷河が溶けてしまうことである。著者は、この将来を回避するには、既に手遅れにみえるが、正確な判断にはなお詳細な計算が必要であるという。また、ホワイト・ハウスのブッシュ大統領にとっては、問題は現実の問題ではなく、レトリカルなものにすぎないようであるとも皮肉っている。

Deserts of the Future,By Stephen Shenfield,The Moscow Times.com,01.5.23.

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