カリフォルニア 熱波による死者が83人に 乳牛は死に、果樹・野菜にも打撃

農業情報研究所(WAPIC)

06.7.27

 サンフランシスコ・クロニクルの報道によると、熱波が居座るカリフォルニア州の高温によると見られる死者が83人に達し、乳牛が死に始め、果樹や野菜にも深刻な被害を及ぼしている。

 More than 80 dead as heat wave bakes California,SFGate.com,7.26
 http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/n/a/2006/07/26/state/n170336D55.DTL

 セントラル・バレーでは気温が華氏100度(37.8℃)を超えるのは26日で11日目となり、熱波によると見られる死者はフレスノ[またはフレズノ]郡で20人、隣のスタニスラウス郡で19人、州全体では83人に達したという。極度の高温は電力需要の増大と併せ、電力供給をパンクさせ、”Hundreds of thousands”の家庭やビジネスが熱波のピークのなかで電力供給を絶たれた。

 カリフォルニア内陸のバレーでは、この熱波の間に最高気温・華氏115度(46.1℃)、最低気温・華氏90度(32.2℃)が記録された。

 農家は家畜を冷やすために霧吹き器や扇風機を使っているが、大量の家畜が倒れている。サンホアキン郡農業当局者は、毎日120頭の乳牛が死んでいると言い、専門家は州の乳牛の2%が失われるだろうと見ている。

 生き残った乳牛も乳量が減っている。カリフォルニア・ファーム・ビューロー(農業者団体)によると、国で1番の州の牛乳生産が過去数日間で15%減った。今はピーチとネクタリンの収穫期だが、果樹さえもダウン、高熱で成熟過程を停止してしまった。損害の程度を言うには早すぎるが、クルミ農家など一部農家は何の手立てもなく、ただ見守るだけという。

 チリソース・ケチャップ・スパゲッティソース用のトマトを栽培する農家は、収穫の間にトマトが割れてしまい、販売が難しくなっている。

 ブドウ栽培者は、今年は雨が多く、地下に多少の水が蓄えられているから長期的問題は予想していないが、今年の収穫は若干減るかもしれないと言う。気温が急上昇すると、ブドウは水を保存するために成長を止めるという。

 温暖化がさらに進めば、米国一のカリフォルニアの酪農も果樹・野菜栽培も消えてしまうかもしれない。

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 Dairy cows dying; many ripening crops at risk Farmers fight to protect animals and plants from the heat,SFGate.com,7.26
 http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2006/07/26/MNG6PK5KV31.DTL