今世紀末 地球の30%が極端な干ばつで農業も居住も不能になるー英国の新研究

農業情報研究所(WAPIC)

06.10.4

  英国紙の報道によると、英国気象局の研究者が、農業生産ができず、人が住めない極端な干ばつの危険に曝される地球上の土地が現在の1%から今世紀末には30%に増加し、大量の”環境”移民を引き起こすだろうと警告した。

 1950年代に遡る降水と地表気温の歴史的趨勢に基づく予測によると、比較的穏やかな干ばつ、極端ではないが厳しい干ばつに見舞われる土地も、それぞれ現在の25%から50%、8%から40%に増える。最も厳しい影響を受けるのは、ヨーロッパ南部、アフリカ北部、ユーラシア西部、米国で、中央アフリカ、東アジア、北緯高緯度地方はより湿潤な気候になる。

 この研究には、地球温暖化が地球の炭素循環にもたらす変化の干ばつへの影響を含まれないから、この影響を含めると将来の干ばつはもっとひどくなると予想される。 

 この研究は未刊で、今月末に刊行されるJournal of Hydrometeorologyに掲載される。しかし、3日に開かれるメキシコでのG8会合 (→Call for action on climate change,BBC,10.4)に出席するベケット環境相が京都議定書後気候協定の協議に臨むために、事前に発表されたという。

 Extreme droughts will spread, warn forecasters,Guardian,10.4
 The century of drought,Independent,10.4