カリフォルニア州 大画面テレビが気候変動との闘いの新たな標的

農業情報研究所(WAPIC)

09.9.22

  米国カリフォルニア州が、大量のエネルギーをがぶ飲みする大画面テレビを、気候変動抑制の長期的闘いの新たな障害と認めた。

 州民は毎年400万台のテレビを購入、大部分の家庭が2台以上のテレビを持ち、テレビが消費する電力が増えている。デジタル・ビデオ・レコーダー、DVDプレーヤー、ケーブルボックスと並び、テレビは各家庭の電力のおよそ10%を消費する。

 特に大画面テレビが大量のエネルギーを消費することから、カリフォルニア・エネルギー・コミッション(CEC)は、2011年に販売される新しいテレビセットの厳しい効率基準を提案した。CECの提案では、1セットあたりの消費電力を平均で33%減らさねばならない。2013年までには、もっと厳しい基準を段階的に導入する。提案された基準は11月にも承認される可能性がある。

 ご他聞に漏れず(つまり、労働界も含めた日本産業界と同様)、およそ2000の家電企業を代表する全米家電協会は、これはカリフォルニアにとっての大損害、巨額の税収と大量の雇用がかかっている猛反対している。しかし、CEC報道官は、州が1970年代末に導入した冷蔵庫のエネルギー基準が後に全米で導入 されたように、カリフォルニアは30年以上にわたりエネルギーのパイオニアとなってきた、テレビに限られないエネルギー効率規制は、結局は消費者の支出を節約し、発電所増設の必要性を減らすだろうと反論しているそうである。

 California targets big-screen TVs in climate battle,FT.com,9.22
 http://www.ft.com/cms/s/0/d28b4f2e-a701-11de-bd14-00144feabdc0.html

 関連情報
 IEA 世界経済破綻と気候変動の回避を目指すエネルギー政策転換を要請,06.11.8
 (電力消費量が少ない電気機器の開発と普及はどこまで進むのだろうか。企業は省エネ電気製品の開発を進める一方で、新製品の売り込みでますます電力消費量を増やす恐れがある。英国では、ますます大型化する薄型テレビの普及で、テレビによる二酸化炭素は排出量は2010年までに70%増加するという政府諮問機関の報告がある(Flat screen televisions 'will add to global warming',Independent,11.1)。)