オーストラリア田舎町がペットボトル飲料水禁止 温暖化防止と金の節約

農業情報研究所(WAPIC)

09.10.2

  人口僅か2000人、シドニーにほど近いーストラリア南東部のバンダヌーンが9月26日、ペットボトル入りの飲料水の販売を禁止する世界最初の町となった。ペットボトル飲料メーカーによる町の地下水開発に反対する住民運動が実を結んだもので、7月に行われた住民投票は355対1の圧倒的多数でこの禁止を決めた。

 禁止運動にかかわった人々は、商業的に販売されるペットボトル飲料水は、最終的には埋め立てられることになる大量の廃棄物を生み出す、また、ボトルを作るために石油か使われ、それがトラックなどでオーストラリア中や海外にまで運送されるから、大量の温室効果ガスも排出することにもなると主張する。

 さらに、ボトル水に石油以上の金を払っているのもおかしな話、これは飲料水メーカーの販売戦略に騙されているからだ、水道水をボトルに詰め替えて持ち歩けば大変なお金の節約にもなる、と言う。これが大多数の住民の支持を得た理由だ。

 町のストリートには、一日24時間開いている無料給水所が4ヵ所に設けられた。小学校にも、生徒のための給水施設が設置された。26日からは、町の店は'Bundy on Tap'のラベルの付いた詰め替え用ボトルしか販売せず、店では、持参した再利用可能なボトルに無料で水を詰め替えることもできる。

 町は、禁止に加わりたいという他のオーストラリアの町との会合を開いた。詳細を知りたいという数千ものe-mailが世界中から届いている。住民の一人、キングストン氏は、世界中の政治家が気候変動問題に取り組もうとしており、この小さな町が草の根運動の国際的モデルとなったのは大変心強いことだ”と言っているそうである。

 NSW town dumps bottled water,smh,9.26
  http://www.smh.com.au/national/nsw-town-dumps-bottled-water-20090926-g6ry.html

 エコバッグ運動よりはるかに有益に見えるが、日本では、定着しそうにない。そんなことは業界が許さないだろうし、国民も、自販機やコンビにで簡単に水が買える便利さを決して捨てないだろう。