農業情報研究所


米国:砒素入り防腐剤(CCA)注入木材を2年間で段階的に排除

農業情報研究所(WAPIC)

02.2.13 

 米国環境保護庁(EPA)は、12日、化学企業と住宅改良産業が砒素ベースの防腐剤を注入した木材の使用を2年間で(2003年末までに)段階的に排除することに合意したと発表した(Whitman Announces Transition from Consumer Use of Treated Wood Containing Arsenic)。移行期間の間、産業の設備の転換に応じて、消費者には非−CCA代替木材が供給される。EPAは、2004年までには、住宅での一切の使用を禁じる予定である。問題はCCAと呼ばれるクロム−銅−砒素を含む防腐剤を注入した木材で、国中の住宅やレクレーション施設でフェンス・デッキ・遊歩道・ピクニック・テーブルなどに使われている。砒素はよく知られた発ガン性物質であり、EPAは、この防腐剤に繰り返し接触する子供が肺・膀胱・皮膚ガンにかかるリスクについて研究中である。 

 EPAは、住宅以外で使われているCCA注入木材に大きなリスクはないとしており、既存の施設や周辺の土壌の除去や置換は勧告していない。ただし、砒素が発ガン性物質であることから、砒素に曝されるレベルを引き下げることは望ましいとして、外で遊ぶ子供は食事前に手を洗うこと、CCA注入木材の焼却はしないこと(有毒化学物質の放出につながる)、これらの木材を扱う者は防塵マスク・ゴーグル・手袋を着用し、作業着は他の衣類と別に選択することなど、細かな注意を促している。

 関連ニュース
 Use of Arsenic in Wood Products to End: Faced With Suits, Home Improvement Industry Agrees to 2-Year Phaseout,The Washington Post,2.13

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