農業情報研究所


米国:日常的に使われる薬品が河川を汚染ー地質調査局調査

農業情報研究所(WAPIC)

02.3.14 

 米国内務省の地質調査局(USGS)が河川の薬品汚染に関する初めての全国規模での調査の結果を発表する(USGS News Release:What's in that Water?USGS Releases First Nationwide Look At Pharmaceuticals, Hormones And Other Organic Contaminants In U.S. Streams)。この調査は1999年と2000年に30州の139の河川を対象に行なわれたもので、95の医薬品・ホルモン・その他の有機廃棄物が調べられた。

 その結果、80%の河川で、人間・家畜・化学工場の廃棄物中に含まれ、日常的に水の中に排出される汚染物質が発見された。

 これらの中には、坑生剤、ステロイド、合成ホルモン、その他の通常使われる薬品が含まれる。多くの場合、汚染物質ー鎮痛剤、駆虫剤、カフェイン、防火剤などーの濃度は10億分の1以下と微小であるが、稀に飲料水についての連邦基準を越えるものもある。しかし、検出された化学物質の多くについては何の基準もないし、人間・動物・環境にどんな影響を与えるのか分かっていない。これらすべての物質が合わされば、特に様々なホルモンについて、別の研究が明らかにしている魚その他の水棲生物に有害なレベルと同様なレベルになる。

 New York Times紙によれば、食品医薬局(FDA)は薬品承認過程の変更ー一層の検査の要求ーにつながるかもしれないと言っている。

 関連報道
 F.D.A. Considers New Tests for Environmental Effects,The New York Times,3.14
 Drug Wastes Pollute Waterways: 80% of Streams Checked by USGS Contain Trace Amounts,The Washington Post,3.13
 Stream Tests Show Traces of Array of Contaminants,The New York Times,3.13

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