揚子江の水棲動物資源が劇的に減少 汚染と過剰漁獲のため

農業情報研究所(WAPIC)

06.9.29

 中国新華網によると、揚子江水資源委員会の新たな報告書が、汚染と過剰漁獲のために揚子江の水棲動物が劇的に減少していることを明らかにした。

 現在1100の水棲動物種がいるが、この数は1990年代に比べて少なくとも100種少ない。全体で370種の魚のうちの20種は絶滅が危惧される状態にある。チョウザメ、シロヒレイルカ、ボラ、スナメリはなお生き残り、繁殖しているが、数は減っている。シロヒレイルカは絶滅寸前である。年々生まれる鯉類の魚の稚魚は、90年代の300億匹から4億匹に減ったという。

 農業部漁業局次長は、過剰漁獲が主な原因、25万以上の人々がこの河での漁労で生計を立てており、能力をはるかに超えていると言う。

 また、揚子江の環境悪化も劇的な影響を与えている。報告によると、河川沿いの都市は、毎年142億トンの汚染水を排水している。この量は中国全体の42%に相当する。中国政府は2003年に漁獲期制度を制定、5億の稚魚を放った。しかし、資源は回復しておらず、状況は危機的なままだという。

 Report: aquatic resources on Yangtze River on decline,xinhua,9.29
 http://news.xinhuanet.com/english/2006-09/29/content_5152731.htm