ブラジル土地無し農村労働者 バイオ燃料ブームによる土地集中を恐れて史上最大の年次大会

農業情報研究所(WAPIC)

07.6.12

 今週月曜日に始まったブラジル土地無し農村労働者運動(MST)の年次大会に史上最大の1万7000のブラジル農民が参集した。最大の関心事項は、農村地域における土地所有慣行の改革の主要な障害 と考えられるブラジルのバイオエタノールブームと国におけるアグリビジネスの拡大の影響という。

 MSTは、エタノールやその他のバイオ燃料を生産する政府後援計画がかつてない農村大土地所有につながることを恐れている。MSTの全国指導者・ジョアン・ペードロ・ステディーレは、”我々はサトウキビとエタノールの生産の影響下で起きているこの土地所有権集中過程を心配している”と言う。

 さらに、国営企業に結びついた外国企業によるブラジルの土地の購入(一例)をめぐる懸念も表明しているという。

 Brazil's landless peasants to hold largest meeting in their history,EARTHtimes.org - Jun 11
 http://www.earthtimes.org/articles/show/71611.html

 ブラジルでは、エタノール生産拡大のために拡大するサトウキビ・プランテーションレーションが小農民の土地や牧畜農場を次々と飲み込み、こうして土地を追われた牧畜農場がアマゾン森林を侵略するという社会的にも環境的にも破滅的な過程が進行している (ブラジル政府やエタノール業界は、森林開拓地はサトウキビに不適だからサトウキビ畑が森林を侵食することはないと辛うじて言い逃れているが、多くの専門家や環境NGOはこのような森林破壊への間接的加担を非難している)。