ウィスコンシンのバイオディーゼル工場建設 大豆油高騰で建設中断

農業情報研究所(WAPIC)

07.11.14

  大豆、従って大豆油の価格高騰が米国バイオディーゼル産業を直撃し始めたようだ。昨日もオクラホマのバイオディーゼル工場倒産と伝えたが(大豆価格高騰でカーギルが投資する米国バイオディーゼル工場が破産)、今度はウィスコンシン州エバンズビルのバイオディーゼル工場建設が、原料大豆油の価格が高いために最終製品価格が高すぎ、レギュラーディーゼルと競争にならないために、中止されたという。

 High Soybean Oil Prices Stop Construction of Evansville, Wisconsin Biodiesel Plant,soyatech.com,11.13

 現在の大豆油価格は1ポンドあたり45セント、あるいは1ガロンあたり3.6ドルで、工場建設が提案されたときの倍以上にまで上がっている。バイオディーゼル1ガロンは大豆油1ガロンから作られ、この原料価格では、出来上がったバイオディーゼルは1ガロン4.5ドルで売らねばならないが、現在のマディソン地域のレギュラーディーゼルは1ガロン3.49ドルで売られているという。この値段では原料原価さえカバーできないわけだ。

 4200億ドルをかけたこの工場は、年に4500億ガロンのバイオディーゼルを生産する州最大の工場となるはずであった。大豆油価格が下がるか、ディーゼル価格が上がるかの見通しが立てば、遅れて、多分来春、建設を再開するという。しかし、少なくとも、大豆油価格が下落に向かう兆候はまったく見えない。大豆油に依存するアイオワのいくつかの工場も生産を停止したという。