南ア政府 バイオ燃料計画縮小 食料安保と温暖化の農業への悪影響の懸念から

農業情報研究所(WAPIC)

07.12.10

  南ア政府が先週、食料安全保障と地球温暖化の農業への悪影響への懸念から、バイオ燃料量産計画の見直しを決めた。バイオ燃料を自動車燃料総消費量の4.5%とする目標を2%に引き下げるとともに、バイオ燃料の原料からトウモロコシを排除する。

 South Africa: Cabinet Scales Back Plans for Biofuels,Business Day via allAfrica.com,12.7
 http://allafrica.com/stories/200712070351.html

 この動きに、トウモロコシ生産者は、トウモロコシ価格低下、補助金付輸入トウモロコシとの競争で、食料安全保障が却って脅かされると反発している。砂糖産業も、サトウキビからのエタノール生産は計画に含まれるものの、エタノールのガソリンへのブレンドの義務化のような強力な後押しがなければエタノール産業はスタートできないと同様に反発している。

  しかし、これを伝えるBusiness Day紙の社説によると、計画変更が気候変動緩和、雇用創出、輸入石油依存の軽減といった当初計画が掲げた目標にとって持つ意味に関しては何の反応もない。恐らく、バイオ燃料が温室効果ガス排出を削減するとか、5万5000もの雇用を創出するとか、輸入石油依存を大きく減らすとか、そんなことはそもそも誰も実感していないからだろうと言う。

 South Africa: Biofuels [editorial] ,Business Day via allAfrica.com,12.7
 http://allafrica.com/stories/200712070349.html