バイオ燃料用トウモロコシ作付増加で肥料・農薬による水汚染が一層進む 米国の新研究

農業情報研究所(WAPIC)

09.9.30

 米国・パーデュー大学の新たな研究によると、輸送燃料エタノールの需要がトウモロコシ作付の一層の増加につながれば、トウモロコシ栽培のために使われる肥料や農薬による水汚染がますます進む。様々の作付体系を持つ畑の近くの水系に関するこの研究は、トウモロコシを連作する畑の近くの水系は、トウモロコシ-大豆を輪作する畑の近くの水系に比べ、一層多量の窒素、殺菌剤(ピラクロストロビン)、燐を含むことを発見した。

 研究者は、トウモロコシ-大豆輪作からトウモロコシ連作へのシフトで、畑から流れ出す土砂が増え、土砂ともに水系に流れ込む殺菌剤や燐も増えることになると言う。窒素や殺菌剤は大豆よりもトウモロコシで大量に使われ、トウモロコシ連作で畑の土壌に含まれるこれらの量が増える。また、トウモロコシ-大豆輪作は耕運なしでもできるが、トウモロコシ連作では耕運が必要になるから、土砂の流亡が増える。

 米国農務省のデータによると、トウモロコシ作付面積はエタノール需要の増加ととも増えてきた。研究者は、エタノール原料としてトウモロコシの茎葉が選ばれるようになると、トウモロコシ作付が一層増える予測する。そして、これが水質にどれほど影響するかを知る必要があると言う。

 Study shows more corn for biofuels would hurt water,Purdue University News,09.9.28
 http://news.uns.purdue.edu/x/2009b/090928ChaubeyWater.html