ブラジル バイオディーゼル混合比率を4%から5%に引き上げ 大豆消費に拍車?

農業情報研究所(WAPIC)

09.10.26

 ブラジルのルーラ大統領が9月23日、従来4%としてきたディーゼルへのバイオディーゼルの義務的混合比率を5%に引き上げる案を承認した。これは来年1月から実施される。

 ブラジル政府によると、これによって来年のブラジルのバイオディーゼル生産量は24億リットル (2006-2008年の年平均生産は5億2000万リットルと推定されている−OECD-FAO Agricultural Outlook 2009-2018)にまで急増する。しかし、ルーラ大統領は、産業は食用大豆油を主要原料とすることには用心深いから、食料供給には影響がなかろうと言っているそうである。

 Brazil to increase diesel bio-fuel content to 5% next January,Merco Press,10.26
 http://en.mercopress.com/2009/10/26/brazil-to-increase-diesel-bio-fuel-content-to-5-next-january

 とはいえ、今までのところ、大豆油以外の原料を使ったバイオディーゼル大量生産の準備ができているとは聞かない。これほどの増産が大豆油なしできるとは考えられない。大統領発言はいささか無責任のように見える。大豆需要増大が、減速しているというアマゾン雨林の破壊を最加速する恐れもある。