スイッチグラス等次世代バイオ燃料原料植物寄生センチュウ バイオマス収量を減らす恐れ
10.3.23
イリノイ大学エネルギー生物科学研究所の研究者が、次世代バイオ燃料の有力候補とされるセルロース系エタノールの二大原料植物―ミスカンサスとスイッチグラス―に関する調査で、これら植物のバイオマス収量を大きく減らす恐れのある植物寄生センチュウが広く見られることを発見した。研究者は、センチュウは土壌システムの一部をなすものだが、バイオ燃料生産のための候補作物に関しては、これら作物にどんなセンチュウが、どんなレベルで存在するのかまったく分かっていなかったと言う。その最初のサーベイ結果が” GCB Bioenergy”誌に発表されたということだ。
First Parasitic Nematodes
Reported in Biofuel Crops,Science Daily,10.3.21
http://www.sciencedaily.com/releases/2010/03/100317161956.htm
この2008-2009年センチュウ・サーベイの対象となったのは、イリノイ、ジョージア、アイオワ、ケンタッキー、サウスダコタ、テネシーのミスカンサス37プロットとスイッチグラス48プロットのである。すべてのサンプルサイトから、大部分の単子葉植物のバイオマスを減らすと報告されている、少なくとも2種のセンチュウが見つかった。これらセンチュウの密度がどれほどになればミスカンサスやスイッチグラスに損害が生じるかは分かっていない。しかし、このサーベイで見られた個体群密度は、他の単子葉植物で報告された限界密度と比較して、バイオ燃料生産にリスクを呈する恐れがあるという。
研究者がミスカンサスとスイッチグラスに発見したのは、ネグサレセンチュウ、 オオハリセンチュウ、ナガハリセンチュウ、ヤリセンチュウ、イシュクセンチュウ、ワセンチュウで、これらセンチュウがトウモロコシ、ベントグラス、スイッチグラス、ターフグラス(芝生)などいくつかの植物種に損害を与えることは、以前から報告されている。研究者は、我々のサーベイで発見された高レベルのセンチュウと、感染した根に見られる症候からすると、これら寄生生物がバイオマス生産を減少させる恐れがあると言う。イリノイ・ハバナとジョージアの砂質土壌で高レベルに見られらたナガハリセンチュウは、側根の目に見える発育阻害と鬚根系の破壊を引き起こした。
研究チームは、センチュウとバイオマス収量の相互作用をけ研究するために、ハバナでのさらなる研究を望んでいるという」。