臓器移植による狂犬病感染、二人のドイツ人が死亡

農業情報研究所

05.2.22

 BBCが伝えるところによると、臓器移植を受けたドイツ人2人が狂犬病で死んだ(Two die in German rabies outbreak,BBC,2.21)。ドナーは昨年12月に心臓病で亡くなった26歳の女性で、生前に狂犬病の兆候はなかった。インドに住んでいたと考えられている。

 肺移植を受けた女性が先週末に亡くなり、その後腎臓移植を受けた70歳の男性も亡くなった。ドナーは、その他に角膜、膵臓、肝臓を提供しており、膵臓と腎臓の移植を受けた第三の患者は重症になっている。移植を受けた他の3人は、今までのところ症候はない。移植臓器は事前にバクテリア、ウィルス、腫瘍の検査を受けていた。狂犬病ウィルスなど、念頭になかったのだろうか。

 狂犬病は動物に噛まれることで人間に伝達する。人の狂犬病は病気を持つ犬に噛まれることで起きるが、多くの動物がこの病気を宿している。ウィルスは中枢神経組織を冒し、発熱、頭痛、部分的麻痺、幻覚、水への恐怖などの症候が現われる。ほとんどは、症候が現れると数日で死に至る。噛まれて直後のワクチン接種が発病を防ぐ。

 先進国では稀になったが、インドを含む途上国では、毎年多数の人々が亡くなっている。ヨーロッパでは昨年8月、南仏で感染した犬が見つかり、接触したバカンス客など多くの人を追跡する大騒ぎがあった。