シベリアの鳥の大量死 原因はやはりH5N1鳥インフルエンザウィルスーロシア農業食糧省

農業情報研究所(WAPIC)

05.7.30

 先日、シベリアのノボシビルスクでギース、アヒル等が大量死した件について、これがアジアで蔓延し、多数の人間の死をもたらしているH5N1鳥インフルエンザによるものではないという一科学者の見解に釈然としないところが残ると述べた(シベリアで鳥インフルエンザ H5N1型ではないの情報もあるが・・・,05.7.23)が、これはやはりH5N1だったようだ。29日付けのPravda.RUが伝えるところによると、ロシア農業食糧省がH5N1ウィルスが原因の大量死であることを確認したという(Bird flu can infect humans,Pravda.RU,7.29;http://newsfromrussia.com/science/2005/07/29/60852.html)。

 そうであれば、中国青海湖で大量死した渡り鳥の群れによってH5N1がシベリアにまで運ばれた可能性が高まる。高病原性鳥インフルエンザのヨーロッパ、インド、オーストラリアなど広範な地域への拡散の恐れが現実味を帯びる。このウィルスに対する日本の検疫体制も一段と強化する必要がありそうだ。日本当局にその備えはあるのだろうか。