チベットでH5N1鳥インフルエンザが発生 政府はワクチンを配布

農業情報研究所(WAPIC)

05.8.17

 xinhua.netが伝えるところによると、中国農業部がチベット自治区の首都・ラサの郊外の養鶏農場で8月初めに鳥インフルエンザが発生したことを確認した。地方政府は、2608羽の鶏を殺処分、農場を消毒、閉鎖したという(Bird Flu brought under control in Tibet,xinhua.net、8.12)。

 ラサでは2004年にも鳥インフルエンザが発生している。今年は81日に発生、全体で113羽の飼育鶏が感染し、死亡した。国家鳥インフルエンザ基準試験所は、これらの鶏がH5N1ウィルスに感染したものと確認している。

    自治区は、鳥インフルエンザの高病原性H5N1株を防ぎ、処理する要件に従い、発生現場から5km以内のすべての家禽への緊急ワクチン接種、ラサのすべての飼育農場の監視の強化、毎日の発生報告の開始などの措置を取った。現在までに、水鳥用のワクチンがアリ県を除くチベット全域に配布されたという。

 また、当局によると、勃発後直ちに国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)や中国の香港、マカオ、そして台湾にも報告した。

 中国では2004127日から316日までに、16の省や自治区において発生が確認された49のケースを報告された。これは、あらゆるレベルの政府が取った措置で、1ヵ月あまりで沈静したとされている。チベットのケースは、北西部の青海省と新疆ウィグル自治区での5月と6月のケースに次ぐ今年4番目のケースとなる。感染源については情報がない。